【善光寺の仁王尊様】

 

 善光寺では、明治二十四年の大火災で仁王門が焼失し、長く仁王尊不在の期間がありました。その後、善光寺は仁王尊様の作成を高村光雲に依頼しましたが、明治四十五年のご開帳に完成が間に合わないと判断し、臨時の仁王尊様を飯山市の仏師に依頼しました。

 現在の仁王尊様が設置された大正三年に、臨時の仁王尊様は長野市鶴賀の普済寺に払い下げられました。しかし、あまりに大きかったため長年にわたり露天で置かれていました。昭和十一年に当山の十七世一峰不白大和尚が軒下に置かれていた、その仁王尊様を不憫に思い、引き取ることを決め檀家さんの協力を得て、大八車で当山まで運び、本堂内に七十四年間安置しました。

 かねてから飯山市では飯山の仏師が作ったこの仁王尊様を飯山市内に安置しようとする活動があり、平成二十二年に当山に譲渡の要望が出ました。当山も仁王尊様の将来の保存などを考え譲渡することに決めました。その後、平成二十四年に飯山市の仁王像整備事業で仁王尊様を修理改修し、旧飯山駅前に新たな仁王尊様として安置しました。